姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―

Ep.24 いい奴だ

完璧に整えられた庭園は美しく、ここにも生活の温かみがまるでない。

ありえないくらい広居場所のはずなのに、背の高い外壁が囲うそこはものすごく窮屈に感じる。


――日本三大庭園とかってこんな感じじゃなかったっけ?


わーぉ、池もある。
錦鯉とか泳いじゃってるし、赤い橋も掛かってる。こっちは松?

立派〜。何もかも立派……ははは……。


ずっと黙っている金髪に、間が持たなくて無駄に庭をキョロキョロ見てしまう。

旧校舎の中じゃほとんど私と金髪が喋ってるようなものだから、この状況に戸惑いを隠せない。
もう見るところもなくなって、いつもと真逆のカッチリ落ち着いたスタイルの金髪を横目に見る。


七三で髪を後ろにアップしているから、白い肌がよく見える。
大きな猫目は今は伏し目がちで、ちょっとアンニュイ。


(ちゃんとしてれば、すこーーしは見られるのに。)



…………まあまあまあ、人類で1番美しいのはこの私だけどね!!!


不覚にも金髪を褒めるようなことを思ってしまって、勢いよく首を横に振った。


「ウチの家さぁ……。」

金髪への肯定を振り払ってる間に、金髪が重い口を開いた。
< 90 / 874 >

この作品をシェア

pagetop