誰にも言うなよ ~結婚式の後始末~
次の日、若田は廊下で、また美春に声をかけられた。
「若田くん。
例の彼女の写真見せてよ」
「だから、彼女じゃないですよ~」
そう言いながらも、強く否定しなかったのは、ほたるさんみたいな人との仲を疑われるなんて嬉しい、と思ってしまっていたからだった。
「どうしても見たいんだって、この子が。
受付の子に、素敵な人だったって聞いたから」
もうっ、美春さんっ、やめてくださいっ、と何故か美春の後ろに隠れている美春の後輩が照れて言う。
実は、彼女は若田に気があり。
若田の彼女という人を見てみたいと思い、美春に頼んだのだが。
鈍い若田は、もちろん、彼女の心情など察しなかった。
「えー、写真ですか~」
と言ったとき、明巳がちょうど通りかかった。
「あ、社長。
みなさんが、ほたるさんの写真見たいそうなんですけど」
「ほたるの?」
なんでだ、と言われる。