誰にも言うなよ ~結婚式の後始末~
夜、ほたるがキッチンでスマホを見ていたら、明巳が帰ってきた。
困った顔をする。
「……なんで俺たちは一緒に住んでるんだろうな」
「出ていきましょうか……?」
いや、そうじゃない、と明巳は溜息をつき、ほたるの前に座った。
「ずっと思い悩んでたんだ。
また、何処かに修行に出されそうなくらいに」
なんだかわからないけど、仕事してください、とほたるは思う。
「それ見てたのか?」
ほたるがテーブルに置いたスマホには料理のレシピが表示されていた。
コロッケだ。
「ああ、そうです」
「コロッケ作るのか?」
「いえ、これはたまたま、材料、じゃがいもで調べてたら、出てきたので――。
私にとってのコロッケはもう、明巳さんのコロッケですから」
「まあ、俺のコロッケっていうか、花久のコロッケなんだが」
……いや、そうなんですけどね、と思いながら、ほたるは言う。