誰にも言うなよ ~結婚式の後始末~
 ゆっくりできそうな寝室だ、と覗いていると、後ろからほたるが、
「せっかく来たんだから、泊まっていきます?」
と言ってきた。

 えっ? と言った声がちょっと裏返ってしまっていた。

「明巳さん、ここ、使ってもいいですよ。
 向こうにも寝室あるみたいですし」
とほたるは奥に向かって歩いていってしまう。

 その後ろ姿を見ながら、明巳は、

 ……ちょっとドキドキしてしまったじゃないか、
と思う。

 いつも同じ家に住んでいるのに、なんでだろう?

 広いマンションではあるが、あの家よりはもちろん狭く。
 誰が何処にいるのか簡単にわかってしまう構造だからだろうか。

 いつものほたるは同じ家にいると言っても、同じ町内にいるくらいの感じなのだが。

 ここだと確実に同じ家の中にいる。

「いや、帰ろう」

 思わず明巳はそう言ってしまっていた。


 

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