君と青空
本組織が始まった。
今は5月上旬。
私の班は2班で、裕樹、私、久瀬彩莉(くぜさり)ちゃん、鈴木優波斗(すずきゆはと)。
後から知ったのだが、彩莉ちゃん、優波斗、結乃ちゃんは私と同じ丸野内幼稚園出身らしい。
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家庭科の授業が始まる。
家庭科の先生は山田富代(やまだとみよ)。面白いおばさん先生で、通称「家庭科の女王」。
珍しく授業が早く終わり、みんな仲いい子と喋っていると、恋未さんと、恋未さんと仲良くなった美玲莉ちゃんがこぞってこっちに来た。
「ねー、日奈ちゃん、裕樹のこと好き?」
唐突に聞かれたのでびっくりしてると、
「最近めちゃ仲良いからさー笑?どーなのかなって。」
2人の目には『好きって言え』『好きって言わないと面白くないんだよ』そう書いてあるようだった。
裕樹か………。
好きな人出来たことないけど………
ノリだってわかってくれるよね。
ノリだし、裕樹には言わないよね。
信じてみてもいいかな。
「……多分……好き?かな?」
「やっぱり!!!」
「ふぉー!!!!!」
2人は発狂して踊る。
そしたら急にしんとなって
「てかさ…、マスク取ってみてよ。給食の時も顔全然見えへんからさー」
そんなこと………………嫌だ。
でも………………………………
バカにしたりしないよね。
マスク詐欺だって言わないよね。
ブスって言わないよね。
美玲莉ちゃん悪い人じゃなさそうだもの。
恐る恐るマスクを取る。
クラス全体が私の顔を見て一旦静止する。
2人は一瞬息を飲んだような気がしたが、すぐに、
「えー、可愛ーい」
「ありがとう〜取ってくれて〜」
と言って自分の席に戻って行った。
なんとも言えない嫌な感じの笑顔をして。
あからさまにそう思っていないような声で。
…………大丈夫だったかな……?
さっきのは気のせいだよね。
と自分に言い聞かせて笑顔を作る。
帰り道、桜の木を見ると若葉に雫が付きエメラルドのように光っていたのが、かすかな初夏の風により雫が滴り落ち、曇り空を映した暗い緑色の葉っぱになっていた。