もう女じゃないなんて、言わせない
「本気なの?」

声が震えた。

でも、それは夜風のせいじゃない。

東條は、真正面から私を見つめ返してきた。

目を逸らさず、まるで探るように、まっすぐに。

「……だって優香、いい女だよ。」

鼓動が跳ねた。

一瞬で、体温が上がった気がする。

「芯が強いし、仕事頑張ってるし、それに――何より、綺麗だから。」

うそ。
この歳で、そんな言葉をもらえるなんて思ってなかった。

嬉しいくせに、恥ずかしくてたまらなかった。

私は思わず顔を反らす。

「……何、今更口説いてんの?」

せっかく褒めてくれてるのに、素直になれない。

照れ隠しの強がりが口をついて出る。

「飲み友達口説くなんて、女に不自由してんの?」

東條が、ふっと笑った気配がした。

そして、少し身を寄せて、私の顔を覗き込む。

「……抱きたいのに、口説かない男っているの?」

耳元で低く囁かれて、心臓が跳ねた。

ほんの少し触れるだけの距離感が、妙に熱い。
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