もう女じゃないなんて、言わせない
「……そういうの、ずるい。」

精一杯の反論。

でも、東條は逃げない。むしろ、さらに近づいてくる。

むしろ、さらに近づいてくる。

「……行こう。」

東條が私の手をそっと引いた。

そのまま、ためらいもなく、目の前のラブホテルに向かって歩き出す。

私も、抵抗はしなかった。

いや、できなかった。

掴まれた手が、あたたかくて、強くて。

ただの“飲み友達”の手じゃないと、はっきり分かったから。

自動ドアを抜けて、ロビーに入ると、壁一面に並ぶ部屋のパネルが目に入った。

週末のせいか、ほとんどの部屋に「使用中」の赤いランプが灯っている。

「……高い部屋しか空いてないな。」

「……やめとく?」

小声で言ってみたけれど、東條は振り返らずに画面を押した。

「休憩でいいだろ。」

あっさりと。

まるで、私のためらいなんて、見透かしてるように。
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