もう女じゃないなんて、言わせない
乾いた言葉に、自分で少し苦笑いしてしまう。

そう答える私に、東條は「そうか」と静かにうなずいた。

別に驚いた様子も、詮索する様子もなかった。

だからこそ、少しだけ拍子抜けする。

彼が頼んだ枝豆をつまみに取る。

少しだけ塩が強いけど、ちょうどよかった。

「まあ、俺と飲んでるくらいだからな。」

「なにそれ。」

私は思わず吹き出し、彼の顔を見る。

悪びれず、どこか照れもなさそうに、東條はビールを口に運んだ。

やっぱり――この人は、モテるんだと思う。

いわゆる“イケオジ”。年相応の渋さと色気があって、自信があって、清潔感もある。

しかも、自分で会社を立ち上げて、今も経営している実力派。お金も時間もある。

ついでに、気持ちも若い。

「東條ならさ、若い子にモテるでしょ。30代とか、いや20代でもイケるんじゃない?」

「……は?」
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