もう女じゃないなんて、言わせない
「……レストラン、予約してるから行こう。」

「……えっ?」

てっきり、ルームサービスで済ませるつもりかと思っていた。

高級ホテルの部屋で、ふたりだけの食事。

それが“流れ”だと、勝手に思い込んでいた。

だからこそ、少し混乱した。

私は立ち上がりながら、ふと気になって口を開いた。

「……今日、セックスするから?」

「は?」

「だから、こんなにお金かけてくれるの?」

聞いてから、顔が熱くなるのを感じた。

なんて聞き方してるんだろう、私。

でも、知りたかった。

これがただの“ごほうび”なのか、それとも――

悠真は呆れたように私を見つめたあと、すっと手を伸ばして、私の頭をコツっと叩いた。

「……だったら、他の女にお金使うでしょ。」

一瞬、言葉が出なかった。

「……え?」

「俺はさ、“抱ける女”に金使いたいんじゃなくて、“一緒にいたい女”に使いたいんだよ。」
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