もう女じゃないなんて、言わせない
「……私、本当に、この対価に見合ってる?」

こんな高級ホテル、フレンチ、ワイン、プレゼントみたいな夜。

「私、こんなにいい女じゃないよ。」

途切れそうな声で、ぽつりぽつりとこぼれ出す。

「スタイルも……崩れてきてるし。肌だって……前より全然……」

手に出るシワや、胸元のハリ。
目尻に浮かぶ細い線。
歳をとるって、そういうこと。

どんなに笑って誤魔化しても、鏡を見るたび、自分が“かつて”の自分じゃないことを知る。

そんな自分を、好きになってもらえるなんて――
本当は、信じきれていなかった。

でも悠真は、そんな私の言葉に、眉一つ動かさず、ただ静かに言った。

「……見合ってるよ。」

その声が、あまりにもまっすぐで、私のすべての“防衛線”を、優しく溶かしていった。

悠真の言葉が、私の中に優しく、でも確かに入り込んできた。

心にこびりついていた不安や、自分への否定が、少しずつ溶けていく。
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