もう女じゃないなんて、言わせない
――そう。これはただのセックスじゃない。

私は今、悠真に“心ごと”抱かれている。

けれど、胸の奥でまだ疼く思いがあった。

こんなぬくもりだけで、本気に応えたなんて思われたくなかった。

「……悠真、思い切り来て。」

囁いた瞬間、悠真の体がわずかに硬直した。

「……待って。理性が、まだ……」

声がかすれていた。

それでも必死に自分を抑えている悠真が、可愛くて、愛しくて。

私は彼の首に腕を回し、その耳元に、息をかけるように囁いた。

「理性なんて壊して。男の本能で、私を……滅茶苦茶にして。」

その瞬間だった。

悠真の瞳が、ふっと揺らいだかと思うと、次の瞬間には、完全に“男”の表情に変わっていた。

やさしさと余裕の影を脱ぎ捨て、獣のように飢えた視線。

「……言ったな?」

唇の端が上がる。

その顔に、私はゾクッとするほどの興奮を覚えた。
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