「ふしだら聖女め!」と言われて辺境に追放されましたが、子どもたちとほっこり幸せに暮らします(ただし、聖騎士団長が待ち伏せしていた!)
ヴィンラントを説得させて婚約を続けるか、むしろ彼の勘違いを利用して婚約解消を望むか。
天秤にかけた結果、リデーレは決意する。
何よりもヴィンラントのことは好きではないし、王太子妃なんてリデーレには荷が重い。このまま婚約を続けても、ヴィンラントに利用される将来が目に見えている。
それに噂を流したのは、他の聖女たちだろう。王太子の婚約者の地位にまんまと収まったリデーレを目の敵にしている彼女たち。しかもリデーレは「緑の精霊」という、なんの効果があるかわからない精霊と契約した聖女だ。
風の精霊や水の精霊と契約した聖女たちからしてみれば、面白くもない。なぜリデーレが王太子の婚約者に選ばれたのかと、未だに納得していないのだから。
「承知しました。これ以上の話し合いは無駄のようですね。王太子殿下のお心のままに」
リデーレの冷静な言葉に、ヴィンラントは鼻で笑った。
「ふん。そうやって、最初から僕に従っていればいいものを。どうして、他の男にうつつを抜かすのだ。あと一年も我慢すれば、僕と結婚できただろうに。よほど我慢できなかったんだな、君のその……ムラムラした欲望が!」
あと一年でリデーレは二十歳になる。それを機にヴィンラントと盛大に結婚式を挙げる予定で、これからその結婚式に向けての準備が始まろうとしていたところだ。
天秤にかけた結果、リデーレは決意する。
何よりもヴィンラントのことは好きではないし、王太子妃なんてリデーレには荷が重い。このまま婚約を続けても、ヴィンラントに利用される将来が目に見えている。
それに噂を流したのは、他の聖女たちだろう。王太子の婚約者の地位にまんまと収まったリデーレを目の敵にしている彼女たち。しかもリデーレは「緑の精霊」という、なんの効果があるかわからない精霊と契約した聖女だ。
風の精霊や水の精霊と契約した聖女たちからしてみれば、面白くもない。なぜリデーレが王太子の婚約者に選ばれたのかと、未だに納得していないのだから。
「承知しました。これ以上の話し合いは無駄のようですね。王太子殿下のお心のままに」
リデーレの冷静な言葉に、ヴィンラントは鼻で笑った。
「ふん。そうやって、最初から僕に従っていればいいものを。どうして、他の男にうつつを抜かすのだ。あと一年も我慢すれば、僕と結婚できただろうに。よほど我慢できなかったんだな、君のその……ムラムラした欲望が!」
あと一年でリデーレは二十歳になる。それを機にヴィンラントと盛大に結婚式を挙げる予定で、これからその結婚式に向けての準備が始まろうとしていたところだ。