「ふしだら聖女め!」と言われて辺境に追放されましたが、子どもたちとほっこり幸せに暮らします(ただし、聖騎士団長が待ち伏せしていた!)
「お送りします。お坊ちゃまが泣いているから大変でしょう? お嬢様は、私と手を繋ぎませんか?」
オルテスが言うように、片手でアラケルを抱き、もう片手でミーティアと手を繋ぐのは、リデーレにとって骨が折れる作業だった。少しでも気を抜けば、アラケルが腕からずり落ちてしまう。
「ミーティア。オルテス様は聖騎士団長よ」
「聖騎士様、ミーティアです。よろしくお願いします」
ミーティアが幼いながらも丁寧に挨拶すると、オルテスの口元が柔らかく緩んだ。
「素敵なご挨拶ですね」
オルテスと手を繋ぐミーティアはご機嫌だったが、リデーレの腕の中のアラケルはなかなか泣き止まない。
その泣き声は、まるでこれから向かう辺境の地を嘆くかのよう。
だが、リデーレの心は別のことで揺れていた。遠征中の兄デルクに、この顛末をどう報告すればいいのか。
「聖女リデーレ様」
オルテスの声で我に返る。
「このたびは大変でしたね。ですが、我ら第九聖騎士団は聖女リデーレ様の味方ですから。地の果てであろうが、どこまででもついていきます」
オルテスは子どもたちを安心させるかのように、艶やかに微笑む。
「ありがとう」
社交辞令であろうが、励ましとしてはじゅうぶんな言葉だ。
もちろん、このときのオルテスの言葉が本気であることなど、リデーレはつゆにも思わなかった。
オルテスが言うように、片手でアラケルを抱き、もう片手でミーティアと手を繋ぐのは、リデーレにとって骨が折れる作業だった。少しでも気を抜けば、アラケルが腕からずり落ちてしまう。
「ミーティア。オルテス様は聖騎士団長よ」
「聖騎士様、ミーティアです。よろしくお願いします」
ミーティアが幼いながらも丁寧に挨拶すると、オルテスの口元が柔らかく緩んだ。
「素敵なご挨拶ですね」
オルテスと手を繋ぐミーティアはご機嫌だったが、リデーレの腕の中のアラケルはなかなか泣き止まない。
その泣き声は、まるでこれから向かう辺境の地を嘆くかのよう。
だが、リデーレの心は別のことで揺れていた。遠征中の兄デルクに、この顛末をどう報告すればいいのか。
「聖女リデーレ様」
オルテスの声で我に返る。
「このたびは大変でしたね。ですが、我ら第九聖騎士団は聖女リデーレ様の味方ですから。地の果てであろうが、どこまででもついていきます」
オルテスは子どもたちを安心させるかのように、艶やかに微笑む。
「ありがとう」
社交辞令であろうが、励ましとしてはじゅうぶんな言葉だ。
もちろん、このときのオルテスの言葉が本気であることなど、リデーレはつゆにも思わなかった。


