「妃に相応しくない」と言われた私が、第2皇子に溺愛されています
「兄上は……どうするつもりなのですか。」

それは、弟としての率直な問いだった。

しばしの沈黙の後──

クラウディオは、空を仰ぐように目を細め、淡く笑った。

「さあな。」

風が、部屋の窓を優しく揺らした。

揺れるカーテンの向こうに、沈みかけた陽の光が差し込んでいた。

その光は、兄弟の影を長く落とし、まるでそれぞれの歩む未来を、静かに分かとうとしているかのようだった。

あの日の出来事が頭から離れず、私はそっと聞いてみた。

「……皇太子、引き受けるの?」

カイルは、窓の外に目をやりながら、ゆっくりと首を横に振った。

「いや。俺には無理だと思ってる。」

その言葉に驚いて、私は息を呑む。

けれどカイルの目は、どこか静かで、澄んでいた。

「聖女の護衛になって、己の未熟さを思い知らされたんだ。……皇太子は、兄上じゃなきゃ駄目だって分かった。」
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