「妃に相応しくない」と言われた私が、第2皇子に溺愛されています
国王の声には、深い愛と信頼があった。

二人の皇子を、どちらかではなく“共に”歩ませようとする、親としての最後の願いだった。

クラウディオはしばし沈黙したあと、小さく息を吐き、カイルの手を強く握った。

「ならば、俺はおまえの“片翼”になろう。もうおまえを一人にはしない。」

カイルの瞳に、光が宿る。

「兄上……ありがとうございます。」

二人の手が、しっかりと重なり合ったその瞬間。

王宮の天窓から光が差し込み、未来を照らすように二人を包み込んだ。

王国に、新しい“二本の柱”が立った日だった。

広間に差し込む午後の光は穏やかで、カイルの執務室に静けさをもたらしていた。

その日、珍しく摂政となったクラウディオ殿下が訪れたのは、何か特別な用事があるのだと、すぐに察せられた。

「殿下……お越しいただき、光栄です。」

セレナが丁寧に頭を下げると、クラウディオは微笑みながら手を軽く振った。
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