「妃に相応しくない」と言われた私が、第2皇子に溺愛されています
その姿は、まさに「王に選ばれし者」としての風格を湛えていた。

剣の銀の輝きに照らされたその瞳に、迷いはなかった。

人々の間にどよめきが走る。

──これが、次の王だ。

そして、その隣にはもう一人の男が立つ。

摂政に任命されたクラウディオ殿下。

「父上、皇帝陛下。」

彼は跪くと、隣の女性の手を取りながら頭を下げる。

「この場をお借りして、申し上げたいことがございます」

そして、立ち上がり堂々と宣言した。

「聖女・ティアナ・エルフェリアを、私の妃として迎えとうございます。どうか──お許しください。」

ざわめきが走る。

その中には、神殿の高官もいた。

「お待ちを! まだ浄化は続いております! 聖女が妃となれば、その身は王族のものに──」

だが、ティアナは一歩前に出て、澄んだ声で告げた。

「私は、聖女の任を放棄するつもりはございません。」
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