野いちご源氏物語 三四 若菜(わかな)上
明石(あかし)(きみ)皇子(みこ)様の祖母君(そぼぎみ)になってもむやみに威張(いば)らないことを、世間はほめている。
堂々として気高(けだか)いけれど、身分に合った(ひか)えめな態度も取れる人なの。
(むらさき)(うえ)も明石の君に対する敵対(てきたい)(しん)は完全になくされた。
もはや源氏(げんじ)(きみ)のご愛情を争う敵ではなく、大切な皇子様の祖母君だから。

紫の上は皇子様のためのお(まも)り人形を手作りなさる。
はりきってお世話して毎日過ごしておられるけれど、悲しいのは冬の御殿(ごてん)尼君(あまぎみ)ね。
皇子様を春の御殿に取られてしまったから、お会いできなくて死にそうなほど恋しがっている。
< 54 / 75 >

この作品をシェア

pagetop