√スターダストtoらぶ
お兄さんの名前は旭尚悟(あさひしょうご)。

わたしを助けてくれたしゅーま…夕影愁真(せきかげしゅうま)さんのいとこらしい。

今日本当は尚悟さんの大学のサークル仲間の女性(愁真さん狙い)と愁真さんとで花火大会に行く約束をしていたらしいのだけど、愁真さんが急にバイトを理由に逃げたらしく尚悟さんが彼を捜していたところ、わたしを押し付けられたというわけだ。


「あの…これはわたしの勘なんですけど」

「うん」


言っていいものか迷ったけれど、ここではっきりさせておいた方が身のためだと思った。

わたしは勇気を振り絞って口を切った。


「愁真さんって…クズ、ですか?」


と、次の瞬間だった。


「あはははっ!あはは、あはははっ!」


尚悟さんがお腹を抱えて笑い出した。

これはもしや…

てかやはり…


「まあ一般的に言えばそうだろうね。アイツの名誉のためにもあんまり口外したくはないけど、親戚のオレから見てもかなりのクズだと思うよ。けどさ…ははっ!そんなはっきり言わなくても…!あはは!」


尚悟さんが笑うのを待つ間わたしは肩をがっくりと落とし、ぼんやりと虚空を見つめていた。

あぁ、やっぱり、なぁ。

なんか女の子落とすの慣れてそうだったし、

あんな乙女ゲームみたいなセリフを恥ずかしげもなく言えるし、

おかしいと思ったんだよ。

それなのに、この血が騒ぎ出して止まらなくて。

わたしに寄ってくる男はやっぱりクズなんだ。

それなのに、

分かってたのに、

あんなニヤニヤしちゃって、

キュンキュンしちゃって、

あぁ、情けない。

こんな自分がすっごく嫌だ。

ほんと、最悪だ…。

初対面の人と話し込んでいたら、楽しみだった花火も終わりを迎えていた。

本当だったら今頃みんなで観ていたはずなのになぁ。

あぁ、もう…。


ーーブーブー。


いろんな絶望に押しつぶされそうになっていると、スマホが鳴った。


“らぶ今どこ?迎えに行くから場所教えて”


親友が気づいてくれた時には時間切れか。

とほほ…。

わたしはたこ焼き屋の近くとだけ打って夜風に吹かれた。

早く迎えに来て。

こんな醜態を公然に晒していたくない。

そんならことを思いながらただひたすらに待っていた。

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