√スターダストtoらぶ
「わたし、やっぱり謝ります。ごめんなさい。実を言うと、あなたのこと、クズだって思っていました」

「はは、そう」


そうか。

やっぱり、ね。

なのに、

分かっていたのに、

はぁ…痛い。

胸の奥がズキンズキンと激しく痛む。


「花火大会の日助けてもらった時に思いました。妙に馴れ馴れしいし女の子の扱いになれてそうだったし、変なこと言いますし…」


あぁ、あれね。


「でも今日また会ってあんなこと言わせちゃって分かったんです。一見しょうもない人に見えても中身はそうではないこともあるというか、なんというか…」

「見直してくれた、と?」


彼女がうんと力強く頷く。

じんわりと熱が身体中を巡っていく。


「わたしの推しがクズなわけないって、そう…信じます。本当にすみ…」


無意識に体が動いた。

腕が伸びて彼女を抱き寄せていた。


「ごめん。でも、もう少し…このままでいさせてほしい」

「……今だけ、です。助けてもらったお礼です。なんか、寂しがりやっぽいので、あなた。そういうところ、推しに似ていて尊いので」

「はは、そ」


それでもいい。

突き飛ばされなかっただけいい。

少しでも体温が伝わってくるだけで

それだけでいい。

空っぽな俺には充分すぎるくらいの

あったかい何かだ。

少ししてスマホのバイブが鳴った。


「尚悟到着したらしい。行こうか」

「…はい」


不満げというか不安げというか。

彼女の表情は険しく、彼女の家の近くに着くまで約30分もあったのに一言も口をきいてはくれなかった。

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