√スターダストtoらぶ
そして、当日。

尚悟が密かに気になっているらしい高橋さんの親友の日野森さんのクラスに俺は借り出された。


「OBはOBで回ればいいじゃん。なんで俺まで…」

「せっかくだし、占ってもらおうと思って。愁真とらぶちゃん」

「いや、いいから」


ゆっくり攻略していけばいい。

そっとしておいてほしい。

言いかけた言葉を遮るように俺の視界に怪しい人影が横切った。


「え?誰?」

「あぁ、確か辻堂朝雪くんっていう子。絵那ちゃん曰くらぶちゃんの理想の王子様タイプらしいよ。ちなみに愁真より先に告ってる」

「えっ…」


…嘘だろ。

先手を打たれていたなんて。

知らなかった。

尚悟大事なことは言ってくれよ。

と掴みかけたが、悪いのは自分だと思い直し、やめた。

それより今出来ることを考えなければ。


「俺1人で行く。先に行かせてもらってもいい?」

「分かったよ。善は急げってな」


俺は彼らが占いの館から去るのを見届けるや否や突入して行った。


「日野森さんに占ってもらいたいんですけど」

「え?あ、はい。いいですよ。少々お待ちください」


食い気味で案内役の生徒に白い目で見られたけどそんなの気にしてはいられない。

俺は一番端に用意されたブースの中に足を踏み入れた。


「ご指名って愁真先輩のことだったんですね」

「ごめんね。でも急ぎでどうしても占ってもらいたくて」

「ふふ、分かりました。じゃあ、いくつか質問させていただきますね」


たとえどんな質問が来ようがどんな結果を言い渡されようが受け入れる。

その決意をして。

俺は時を待った。


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