私の隣にいるのが俺じゃない理由を言え、と彼は言う
野田の腕は、背中に到達して、手のひらが背中をさすり出した。

私はというと、それが気持ちよくて、止めてと言えない。

…どうしよう。止めてもらわなきゃ…でも…


「気持ちいい?」

野田が耳元でささやいて、私を見つめた。目がいい?って聞いてる。

私は無言で見つめ返した。

野田の右手が前にきて、やさしく服の上から探る。

…だめっていいたいのに…

雰囲気に完全にのまれている。

野田が一瞬目をそらして、そしてまた見つめてきた。

そして、顔を近づけてきた。

私もそっと、目をつむった。


そのとき、だった。



ピーピービー


と、洗濯機の終わるおとがした。
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