甘い独占欲と溺愛で、もう絶対離さない。


「ん、いい子」


そう言うと、千紘くんは私の頭を優しくなでた。

……ねえ、なんで。
そんな目で私を見るの。

どこか、愛おしいって言っているような、目。


「……またあとでね」


そう言って、千紘くんは校庭の方に歩いて行った。

千紘くんが見えなくなると、私はその場でとっさにしゃがみこんだ。


「~~っ」


さっきまでの私たちを思い出して、時間差で顔にじわじわと熱がうまれてきた。


私たち、今なにしてた?
ハグとか、キスとか……っ。


「あー……っ」


とくとく、と心臓は速く鼓動を打っている。


「千紘くんのばかぁ……っ」


こんなの、千紘くんしか見えなくなるに決まってる。

色々思い出してしまって、私はぎゅっと自分の膝を抱いた。



しばらくたって、熱が引いてきたころ、私はテントまで戻った。


「……ちょっとゆあっ」


そこで羽衣と合流するなり、羽衣は焦ったように私を見つめてきて。


「どうしたの、羽衣」

「どうしたのじゃないよっ」


< 101 / 213 >

この作品をシェア

pagetop