甘い独占欲と溺愛で、もう絶対離さない。


バトン渡しの練習も、何度もした。
千紘くんに、たくさんアドバイスももらった。

……だから、大丈夫。


だと、思ってたのに。


「わ……!?」


……っ、どう、しよう。

突然なにかに足を引っかけてしまって、私は派手に転んでしまった。

まだ大丈夫。
だってほかの組と比べて、こんなにも差がある。

立てば……。

もう一度走ろうと、右足から立ち上がると。


「……っ」


足に大きな痛みが走った。

……どうしよう、これじゃ、立てない……っ。

もう一度立とうと試みるけど、結局立てなくて。


……な、んで。
私のせいで、白組のみんなが負けちゃう……っ。


「……ふふっ」

「くすくす」


近くから、女の子たちの笑い声がした。

明らかに悪意のある声で、はっとしてそちらに顔を向けると、赤組の知らない女の子数人が、トラックの内側で私を見て笑っていた。


……なん、で。
私、なにかした……?

足、引っかけられたってことだよね。わざと?


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