甘い独占欲と溺愛で、もう絶対離さない。


「約束忘れたの?」

「……え」

「それとも、覚えてんのにやってんの?」

「えっ、と」


……っ、だよね!?
そううまくはいかないよね……!?

分かってた、分かってたんだけど、ちょっとの可能性にかけたんだよ。


心の中で言い訳を繰り返すけど、千紘くんの顔は真剣そのものになっていた。
……こ、これはまずい。選択を完全に間違えた気がする……。


「どっちにしろ、悪い子なのには変わりないよね」

「……」

「おかゆじゃなくて、ゆあのこと食べるよ?」

「へっ」


我ながら、まぬけな声が口から飛び出した。

食べる……、それって、それって。
千紘くんの瞳は相変わらずで、全身で危険を察知した。

私があとずさる隙もなく、その整った顔が近づいてくる。

唇同士が触れそうで、触れない距離。
あと少しでも動いたら、確実に触れてしまう。

鼓動がとくとくと、恋を知らせるような音をたてた。


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