甘い独占欲と溺愛で、もう絶対離さない。


ど、どうしよう。このままじゃ、私……。

思わず、ぎゅっと目をつむって。


「あっ、えっと、おかゆ!食べよう!!ほら、ね?」

「……え?んんっ」


焦ってしまった私は、その距離のまま、手にしているおかゆをスプーンですくって、無理やりその口につめこんだ。

だって、だって……。
あのままじゃ確実に、キスしてた。

いや……ってわけじゃないけど、すごくあわててしまって。

千紘くんから二歩くらい離れる。
それからもう一度そちらを見ると、驚いたような千紘くんと目が合った。

……その頬は、風邪のせいだろうか、赤くなっているように見える。


「っ、不意打ちはずるいわ」

「不意、打ち……?」

「……どんなやり方でもかわいいんだよ」


とくんっ、と心臓がひときわ大きく波打つ。

あ、あれ、なんで。
キスされちゃうかもしれないことに焦って、それで、無理やりおかゆをつっこんだのに。

……ど、どうしてまだそんな目で、見つめてくるの?


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