甘い独占欲と溺愛で、もう絶対離さない。
千紘くんの方を、見ないように、見ないように……。
って、思ってたのに。
「はは、ごめんね、お昼は一緒に食べられないんだ」
なんて、千紘くんの声が聞こえたから、思わず振り返ってしまった。
その途端、バチっと目が合ってしまって。
心臓が、とくんっ、と音を立てる。
やだなあ、顔なんて赤くなりたくないのに。
ふっと顔をそむけて、私は教室に向かって歩き出した。
……それなのに。
「ゆあ!」
と、私の名前を呼ぶ、千紘くんの声が聞こえて。
しん、と廊下中が静まり返った。
おそるおそる振り返ると、千紘くんが私をまっすぐに見つめていた。
だめ、だめだよ、これ以上何も言わないで。
だって、千紘くんの周りの女の子たちからの、視線がすごく痛い。
「……おはよ」
千紘くんは目を泳がせて、私にそう言った。
え、そ、それだけ?
それだけ言うために、私のこと引きとめたの?