甘い独占欲と溺愛で、もう絶対離さない。


「……え」

「え?」


え?って。
私が言いたいってば。


……な、なんなのこの人。

人違い……ってわけではなさそうだし。
だって、顔が全く一緒だもん。

ちゃんと見てたもん、私。

……は、じゃあ本当に覚えてないわけ?


「覚えてないんですか……?」

「うん。
いろんな人に話しかけられすぎて覚えてない」


……なるほど。
彼にとって私は、そのいろんな人の一人でしかなかったわけだ。


えっ、彼を大勢で囲むんじゃなくて、一対一で話したのに?

ちょっとまって。
私結構ひどいこと言われてない?

あーもう、なんか怒り通り越して悲しくなってきた。


「……そんな、ひどい」


思わず口を出た私の言葉に、なぜか彼はぎょっとしたように目を丸くして。


「……まさか、本当に覚えてないとでも思ってる?」

「え?」


ちょ、一体何を言っているのこの人は。

もうだめだ、そろそろ脳内パンクしそう……!!


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