甘い独占欲と溺愛で、もう絶対離さない。
やばい、と本能が察して。
何やってるの私、こんな状況で余計に反感を買うこと言って……っ。
「あんたじゃ瀬良くんにつり合わないからだよ」
「……っ」
「さすがに調子乗りすぎなんじゃない?
体育祭のとき、いい気になった?瀬良くんは、困ってる人を放っとけないんだよ」
……分かってる。
「だから、転んだあんたを助けたんでしょ。
それに、借り物競走のとき?『世話焼きな人』とか、遠回しにバカにされてんじゃん」
……分かってるよ、私じゃつり合わないことも。
「それに、昨日も言ったよね。
完璧な瀬良くんの彼女になるのは、この私だって」
「実咲、頭いいもんねー!」
「ちょーかわいいし!」
でも、でも。
「瀬良くんも迷惑してるんじゃない?」
千紘くんは……っ。
「千紘くんは、そんな人じゃない……っ!」
自分から、思ったよりも大きな声が出て、自分でびっくりしてしまった。