甘い独占欲と溺愛で、もう絶対離さない。
それはもちろん私だけじゃなくて。
吉村さんたち三人も、驚いた顔をしている。
でも、それは一瞬で、怒りの顔つきに変わった。
「……は?」
「千紘くんは、そうやって人のこと、バカにするような人じゃない……っ。
それに、あなたたちが思うほど、すごく完璧なわけじゃないよ」
「……あんたに瀬良くんの何が分かるの?
それに、なんで名前呼び?勝手に呼んでるの?」
「そんなことはどうだっていいでしょっ」
一度回った口は止まらない。
勢いに任せて、もう思ってること、全部言っちゃえ。
「千紘くんにだって、苦手なこといっぱいあるんだよ!
千紘くんは料理が苦手だから、私がよくしてるし、早起きも苦手で、私が起こさないと起きない」
「……え?」
「千紘くんのこと何も知らないで、勝手なこと言わないで……っ!!」
ぜえぜえ、と肩で息をする。
一気にまくしたてたから、息切れちゃった……。