甘い独占欲と溺愛で、もう絶対離さない。


そうだ、この屋上の扉、すごく立て付けが悪いんだった……。


どうしよう、閉じ込められた……?

ダメだ、やっぱりびくともしない。


そうだ、スマホで誰かに連絡すれば……!

そう思って、自分のポケットの中を探してみるけど。


「な、ない……」


かばんの中にいれたままかな……。
かばんは……、教室に置きっぱなしだ。


「かばんも、一緒に持ってくればよかった……」


だとしたら、本当にどうしよう。
誰かに連絡する手段もないし、自分じゃドアも開けられない。

誰かが来るまで、待つしかない……?


七月だから、夕方でも相変わらず外ほ熱い。

さすがの私でもわかる。
こんな真夏に長い間外にいるのは危険だ。


だけど……。


「吉村さんが、全部悪いわけじゃないし……」


吉村さんだって、好きで私を閉じ込めたわけじゃないだろう。

一生懸命、千紘くんに恋をしているだけの話だ。


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