甘い独占欲と溺愛で、もう絶対離さない。
バンッ、と扉が開く音とともに聞こえた、私の名前。
切羽詰まったような声。
私が、一番聞きたかった声だ。
「千紘、くん……?」
「ゆあ……っ!」
ゆっくりと顔をあげる。
涙でにじんだ視界の先に、会いたかった人を確かにとらえた。
「なん、で……」
「なんでって、俺が聞きたいに決まってるだろっ」
その瞬間、目の前が急に暗くなった。
腰に回った腕で、千紘くんに抱きしめられているのだと分かる。
恥ずかしい、なんて感情よりも安堵の方が勝っていて、私はそのまま身をゆだねた。
「……湊が」
「……?」
「渋谷さんが、ゆあの様子が変だって言ってるって」
羽衣が……。
やっぱり、ずっと気にかけてくれてたんだ。
なんだか申し訳ないなあ……。
でも、羽衣が加納くんに言ってくれたから、今こうして助けられたわけで。
「それに、ゆあの家に行ったけど、出なかったから」