甘い独占欲と溺愛で、もう絶対離さない。
「……戻ってきた」
「逆に戻ってこないと思ったの?」
「ちょっとだけ」
「俺のことなんだと思ってるんだよ……」
はい、と千紘くんに水を渡されて、それをゆっくりと飲む。
「……水ってこんなおいしかったっけ」
「ずっと飲んでなかったからでしょ」
いや、それはそうなんだけど。
おいしいよねって言ってよ。なんか悲しくなるじゃん。
「多分もう大丈夫」
「ん、帰れる?」
「うんっ、帰ろ!」
今度はちゃんとゆっくりと立ち上がる。
大丈夫だ、もうふらつかない。
二人で並んで屋上を出た。
「あっ、そうだ。
かばん教室に置いてきちゃったから、取りに行ってもいい?」
「開いてるかな」
「まだ完全下校の時間じゃないし、開いてるんじゃない?」
……多分。
お願いだから、これ以上ハプニングは起こらないでほしい。
そんな私の願いは叶って、教室はちゃんと開いていた。