甘い独占欲と溺愛で、もう絶対離さない。


そ、そうだったんだ……。

屋上の扉って、内側からは開かないんだ……。

じゃあ、意図的に私を閉じ込めたってこと?
カッとなって、じゃなくて?


「えっと……」

「まさか、瀬良くんじゃないよね?」

「……」

「何とか言ったらどうなの?」


いらだちを募らせたような声に、心臓が嫌な音を立てる。

だ、だって、ここでそうですって言っちゃったら、もっと反感買っちゃうし。

どうしたらいいんだろう……。


「体育祭のとき、足を引っかけたのも私」

「そう、なんだ……」

「なにが言いたいか分かる?」


吉村さんは、私を鋭くにらみつけた。


「目障りなんだよね。
昨日も言ったけど、私の邪魔しないでくれる?」


目障り。
そう、だよね。

私、あんまり千紘くんに近づかない方がいいのかなあ……。


なんて考えていた矢先。

どんっ、と衝撃が走って、自分の体が宙に浮いた。


「へっ……」


< 174 / 213 >

この作品をシェア

pagetop