甘い独占欲と溺愛で、もう絶対離さない。
「やっぱり優しーな、ゆあは」
「そんなこと、ない……」
「ゆあの頼みだからな」
はあ、ともう一度ため息をつくと、千紘くんはもう一度吉村さんたちと向き合って。
「じゃあ、一つだけ。
今後一切、ゆあに手出さないでくれる?
俺がゆあといたくているんだけど。お前らがそれを指摘する筋合いなんてないから」
「ごめん、なさい……」と、吉村さんのか細い声が聞こえた。
人ってあんなに弱くなれることを、初めて知った。
「行こ、ゆあ」
「あ、えっと……、うん」
千紘くんは私を離すと、私を見てそう言った。
い、いいのかな、行っちゃって。
「あのっ、一つだけ、聞いてもいい?」
背を向けた直後、吉村さんの声が聞こえた。
私たちは、ほぼ同時に振りかえる。
「椎葉さんと瀬良くんって、一緒に住んでるの……?」
「一緒にっつーか」
ひとつだけ、間を空けて。
「隣に住んでる。以上」