甘い独占欲と溺愛で、もう絶対離さない。


そう冷たく言い切ると、もう一度背を向けた。


「言いふらしたかったら言えば?」


と、それだけ言い残して、私の手を引いて歩き出す。


「ち、千紘くんっ」

「ん?」

「言っちゃっていいの……?」

「いーよ、別に。
今の俺には得しかないから」


と、得……?なんの……?
最初は、あんなにダメだって言ってたのに……。

ま、いっか……?


でも、やっぱり、吉村さんたちに言いすぎちゃったんじゃないかな……。

大丈夫かな、吉村さんたち。


んー、難しいなあ……。


その日から、嫌がらせがなくなったのは、言うまでもない。



***



また違う日の朝、いつも通り校門を通りぬけると。


「あっ、ゆあ。また会ったね」

「……!
唯斗くんっ。確かに、この前も会ったよね」


教室ではいつも会ってるけど、ここで会うのはやっぱり新鮮だ。

千紘くんほどじゃないけれど、唯斗くんと歩いていると、ちらほらと視線を感じる。


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