甘い独占欲と溺愛で、もう絶対離さない。


あのときはよく分からない感情だったけど、多分私はこのときから彼に惹かれていたのだと思う。


その後、夢中になって砂場で遊んでいると、私たちの前に一人の女の人が現れて。


『ちーくん、そろそろ帰るわよ』

『……!わかった』

『あら、この子は?』


彼のお母さんだ、とすぐに分かった。
そして、彼の名前が〝ちーくん〟であることも。

ちーくんのお母さんは、優しそうな顔で私を見た。

すると、ちーくんはにこにこと笑って。


『ぼくのおともだちだよ。ゆんちゃんっていうの』


その言葉に、ちーくんのお母さんは『まあ!』と顔をほころばせた。


『そうなの、おともだちができたのね』

『うんっ。
ゆんちゃんばいばい。またあそぼ!』

『もちろん!ばいばい、ちーくん』


手を振るちーくんに、私も手を振り返した。

彼が去っていくのを、私はしばらくじっと見つめていた。

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