甘い独占欲と溺愛で、もう絶対離さない。


「いったぁ……」


……ぶつかっちゃった。

とりあえずスカートについたごみを払うようにしながら、私は立ち上がる。


「大丈夫?」


と、頭上から降ってきた男の人の声に、はっとして、思わず身構えた。

そうじゃん。
自分の心配する前に、まずあやまらなきゃじゃん……!!


私は相手の顔も見ずに、ばっと勢いよく頭を下げた。


「ごめんなさい、ぶつかってしまって……!」


ああもう、初日から寝坊だったり、人にぶつかったり、ほんと何してんの私。

なんかついてないな……。

なんてどこかいたたまれない気持ちになっていると、「大丈夫だから、顔上げてよ」と、優しい声が聞こえてきて。
おそるおそる顔をあげると、優しい顔をして笑っている、超美形男子がいた。


「……えっ!?」

「ん?なんか僕変?」

「あっ、いやいや、そういうことじゃなくて……!」


あなたがめっちゃイケメンだからです……!!
変なんて断じて思ってません!!


< 3 / 150 >

この作品をシェア

pagetop