甘い独占欲と溺愛で、もう絶対離さない。


えっ、瀬良くんって、まっすぐありがとうとか言えるんだ。


……あっ、決してばかになんてしていません。


「でも家に入ってくるとか、まさかすぎでしょ」

「そ、それは、ごめんなさい……」

「ふはっ、でも椎葉さんならいいや」

「……っ」


笑いながら、さらっとそんなことを言う瀬良くんに、思わず胸が高鳴ってしまう。


わ、私ならいいって、どういうこと……っ?
別に深い意味はないんだろうけど、なんか気にしちゃう……。


「……てか、俺椎葉さんのこと……」

「……っ!」

「抱きしめてた、よね……?」


私から少し目をそらして、瀬良くんは言った。
目をそらしているはずなのに、様子をうかがうようにちらちらとこちらを見ながら。


抱きしめ、られてた……。

瀬良くんと密着してたことを思い出して、ぽんっと再び顔が赤くなる。

その顔を見られたくなくて、少しだけうつむいた。


「その反応、やっぱりか……」


ごめん、とあやまる瀬良くんに私は小さく首を振る。


< 55 / 213 >

この作品をシェア

pagetop