甘い記憶を溶かしたら
 まさか昴先輩と再会するとは。ただでさえドキドキして緊張してたのにさらに余計な緊張までついてきた。頭の中は記憶が交差してごちゃごちゃになってきている。

「遠野さんのデスクはここ。でもこれからデザイン案詰めたりとか多いだろうからミーティングルームになるかも。どのチームも個別に部屋分けられてるから……俺らはこっち」

 そう言って部屋を案内してくれた。

「チームは遠野さん入れて四人。チーフは……鈴原さん。あの人あんな感じだけどここぞというときはあれで前に立ってくれる人だから心配しないで」
「……あんな人」

 思わずさっきのやり取りを思い出してクスリとしてしまう。それを見た森下さんもクスッと笑った。

「あとひとりは……」

 カチャっと扉を開けたそこに華奢な細身の男の子がひとりいた。
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