甘い記憶を溶かしたら
少しの沈黙、夜の静けさの中見つめ合っているだけで胸がどんどん高鳴って、この心臓の音が昴先輩の耳にも届きそう。そう思っていたら昴先輩の口が小さく開かれて私は思わず息を飲んだ。
「俺もさ、後悔多いんだ。いつも我慢したり飲み込んだりして悔やむことばっかり。莉久に羨ましいって強請られること多かったけど、羨ましかったのは俺の方」
――え?
「付き合ってると思ってたんだよ。ふたりは……遠野さんと莉久は付き合ってると思ってた」
「なんで?」
「なんで? こっちが聞きたい。仲良かったじゃんか、うち来るほど!」
――それは……。
「……ま、漫画読みに行ってただけ」
「喧嘩したら落ち込んでた」
「……あ、あれは」
なに? と、言わんばかりに真っ直ぐ見つめてくる昴先輩は逃がそうとはしない感じで。
高校生の時、莉久と些細なことで喧嘩をした。莉久の家にいつものように遊びに行ってあることがキッカケで口喧嘩。飛び出すように家を出てモヤモヤと悔しさと悲しさが込み上がってきて気づくと目には涙が溜まっていた。その時……帰宅する昴先輩と真正面からぶつかって声をかけられたのだ。
『……どうしたの?』
その優しい声かけに思わず涙をこぼしてしまった私。
『莉久と喧嘩でもした?』
「俺もさ、後悔多いんだ。いつも我慢したり飲み込んだりして悔やむことばっかり。莉久に羨ましいって強請られること多かったけど、羨ましかったのは俺の方」
――え?
「付き合ってると思ってたんだよ。ふたりは……遠野さんと莉久は付き合ってると思ってた」
「なんで?」
「なんで? こっちが聞きたい。仲良かったじゃんか、うち来るほど!」
――それは……。
「……ま、漫画読みに行ってただけ」
「喧嘩したら落ち込んでた」
「……あ、あれは」
なに? と、言わんばかりに真っ直ぐ見つめてくる昴先輩は逃がそうとはしない感じで。
高校生の時、莉久と些細なことで喧嘩をした。莉久の家にいつものように遊びに行ってあることがキッカケで口喧嘩。飛び出すように家を出てモヤモヤと悔しさと悲しさが込み上がってきて気づくと目には涙が溜まっていた。その時……帰宅する昴先輩と真正面からぶつかって声をかけられたのだ。
『……どうしたの?』
その優しい声かけに思わず涙をこぼしてしまった私。
『莉久と喧嘩でもした?』