シンユウノススメ
「もちろん夜でお願い。昼食だともうあんまり準備する時間が無いでしょ」

「かしこまりました。では、駿河はしばらく準備を進めさせていただきますので、何かございましたらお呼び立てください」

「ありがとう」

「ねぇ、昼食はお願いしてもいい?」

「承知いたしました」

女性二人が頷きながら微笑んでくれる。
食事のほとんどは女性達に任せることになっている。

「はぁー。ほんとに凄いな。ドラマみたいだ。でも″様″じゃなくて″さん″なんだな」

「ドラマでもないし、ムギは女王様でもないからね」

「やっぱり麦ちゃんって凄いね」

「どうして?」

「全然偉ぶらないし、お手伝いさん達にも優しくて」

「優しくないし、偉そうだと思うよ?″このクソガキ!″とか思われてるかもねー。でもお手伝いさん達はみんなパパに雇われてる人達だから。ムギがお給料を支払ってるわけじゃないもん。なるべく嫌なことはしないように心がけてるよ」
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