シンユウノススメ
「やっぱり凄いよ。私はそんな風に思えないと思う」

「俺も。他人に比べて恵まれた環境だなぁって、いいだろー！って気持ちが勝っちゃうかも」

「そんなこと、たぶん全然無いよ」

他人と比べたらムギの家庭環境は恵まれているっていうのは分かる。
ママは死んでしまっているけれどその分パパからの愛情は十分過ぎるくらい感じているし、お手伝いさん達もみんな親切だった。

でもムギはこの環境のせいでいじめられた。
心の底から死んでしまいたい毎日だった。

パパを責める気は全然無い。
ムギの為に一生懸命働いて、今の環境を維持し続けてくれていることがどんなに大変か、ムギにも理解できる。

それにね、最近は思うの。
いじめられていたからメイちゃんに出逢えたのかもしれない。

死んでしまいそうだった命に神様が最期に与えてくれたギフト。
それがメイちゃんの存在なんだってムギは思うの。

だからね、何があってもメイちゃんのことは守るからね。

何があっても。

絶対に。
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