シンユウノススメ
ムギの存在が関係無い人まで傷つける。
もしかしたらムギのせいで人生まで狂わせてしまうかもしれない。

死んだほうがいいのかもしれない。

そんな感情に負けてしまいそうになりながら、ギリギリ保った状態で六年生になった日。

主犯格の女子とまた同じクラスになった。
始業式が終わって、教室で先生の話を聞いているふりをしながら「絶対に今日中に死のう」って心に誓った。

でも、できなかった。

ムギのママは、ムギがまだ三歳だった時に病気で死んじゃった。
ママの記憶は無いけれど、パパが今でもママを愛していて、ムギに気づかれないように泣いていることは知っている。

ムギまで死んじゃったらパパはどうなっちゃうんだろう。

パパのことを想うと、そんな恐ろしいことはできなかった。

主犯格の女子は五年生の時の仲間達とはクラスが離れたけれど、すぐに新しい子分を味方につけて、ムギへの嫌がらせはやめなかった。
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