もう一度、君と恋をするために
「……」

お互い、目を逸らさずに向き合っていた。

かつては、同じ方向を見ていたはずだったのに。

今は、こんなふうに正面からぶつかってしまう。

「まあまあ、どちらも間違っていないですからっ!」

美波ちゃんが慌てて、二人の間に手を差し出す。

明るく笑おうとするけれど、その声には緊張が滲んでいた。

私と悠一は、同時に目を逸らした。

「……すみません、感情的になりました。」

「いや、俺も。」

会議室の空気は、少しだけ冷えたように感じた。

──でも、それよりも苦しかったのは、
彼とこうして“真正面から衝突”したのが、久しぶりだったということ。

かつては、それすらも“絆”だったのに。

会議室を出た瞬間、後ろから悠一の声がした。

「久しぶりに熱いバトルだったな。」

少し笑いながら、私の肩をぽんと叩く。

「いいよ、俺にガンガン言ってこい。」

その言葉に、思わず胸が揺れた。

あの頃、ぶつかりながらも支え合ってきた感覚がよみがえる。

もう終わったはずの関係。

けれど、こんなふうに優しく微笑まれると、引き戻されそうになる。
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