もう一度、君と恋をするために
翌日も、三浦さんは当たり前のように声をかけてくれた。

「今日もランチ、ご一緒しませんか?」

「えっ……いいんですか? ご一緒して。」

「当たり前じゃん。俺、彼氏候補だよ?」

茶目っ気のある笑顔に、思わず笑ってしまった。

……まだ候補にするなんて、言ってないのに。

「ほら、俺って経理部じゃん。普段、桐谷さんと話す機会もあまりないし。だから今こうしてるの、すごく貴重なんだよ?」

そんなふうに言われると、悪い気はしない。

けれど、ふと疑問が浮かぶ。

私の、どこがいいんだろう。

特別きれいでも、おもしろくもない私の、どこを見て好意を向けてくれているのか。

それを察したのか、三浦さんがやさしい目で言った。

「少しでも、俺のこと知ってほしいなって思って。……ダメかな?」

そう言って、真っ直ぐに私を見た。

「……いいえ。」
< 20 / 40 >

この作品をシェア

pagetop