もう一度、君と恋をするために
「なんかあった?」

その笑顔につられて、私の口からつい言葉が漏れた。

「……三浦さんに、食事に誘われたの。」

言った瞬間、胸がざわついた。

どうして悠一に報告するみたいな言い方になってるの、私。

悠一の笑みが、ふっと消えた。

「……行くな。」

その短い言葉に、私はハッとする。

「え……?」

「俺が断り入れとくから。」

そう言って、踵を返そうとする悠一の背中に、思わず声が出た。

「あの……!」

彼が立ち止まる。

その背中を見つめながら、私はやっと言えた。

「行かないで……な。」

震えそうになる声を、どうにか飲み込んだ。

本当は、もっと言いたいことがあった。

でも今は、ただそれしか言えなかった。

悠一は静かに振り返り、ほんの一瞬だけ目を細めた。
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