もう一度、君と恋をするために
そして今日も朝礼が始まった。

営業部の課長が、全体に向けて新しい案件について話し出す。

「今度、新規のプロジェクトが始まる。メンバーは、日向主任を筆頭に、桐谷と浅香。お願いします。」

瞬間、向かいの美波ちゃん──浅香美波が小さくガッツポーズを取った。「やった」と、弾けるような声。

「桐谷さんと一緒のプロジェクトなんて、初めてですね。」

「うん。一緒に頑張ろうね。」

私はにっこり微笑みながら返す。自然に笑えたと思うけれど、心の奥では少しだけ胸がざわついていた。

「一緒に頑張ろうな。」

隣から、聞き慣れた声と共に肩を軽く叩かれる。

悠一 ──日向主任。

プロジェクトで何度も一緒に動いてきた。

いつの間にか、目配せひとつで意図が伝わるようになっていた。

4年間の中で、何本の企画を形にし、何度の壁を一緒に越えてきただろう。

だから、仕事上の信頼関係は今も変わらない。

けれど、今の私は、彼のその無意識な距離の近さに、どうしていいか分からなくなる。

――あの頃と、同じように。

「……よろしくお願いします。」

そう返した声が少しだけ震えていたことに、自分でも気づいていた。
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