もう一度、君と恋をするために
何事もなかったように見えて、その一瞬で、心の奥に波紋が広がっていく。
今さら、どうしようもない感情。
でも確かに、まだ“何か”が、残っている気がしていた。
デスクに戻ると、悠一は静かに私のメモに目を通していた。
そして、それを一枚のファイルに収めていく。
その中には、過去のプロジェクトで使った資料や、私がかつて書いた手書きのメモも混ざっていた。
少しだけ、端が折れ曲がったノートの切れ端。
そこには、黄色のマーカーが何本も引かれている。
「……いつも、ですか?」
気づかれないように、そっと問いかける。
「うん。大事なところね。」
悠一はそう言って、今日渡したばかりのメモにも、同じように黄色のマーカーを引いた。
真っ直ぐで、無駄のないライン。
私が書いた小さな言葉が、その線の中にすっと収まっていく。
その何気ない仕草に、胸がきゅっと鳴った。
──この人は、今も私の言葉をちゃんと受け止めてくれるんだ。
たとえそれが“恋人”としてじゃなくても、
“同僚”としてでも、
“仕事の相棒”としてでも。
それでも、私の想いはどこかでちゃんと届いていたのかもしれない。
今さら、どうしようもない感情。
でも確かに、まだ“何か”が、残っている気がしていた。
デスクに戻ると、悠一は静かに私のメモに目を通していた。
そして、それを一枚のファイルに収めていく。
その中には、過去のプロジェクトで使った資料や、私がかつて書いた手書きのメモも混ざっていた。
少しだけ、端が折れ曲がったノートの切れ端。
そこには、黄色のマーカーが何本も引かれている。
「……いつも、ですか?」
気づかれないように、そっと問いかける。
「うん。大事なところね。」
悠一はそう言って、今日渡したばかりのメモにも、同じように黄色のマーカーを引いた。
真っ直ぐで、無駄のないライン。
私が書いた小さな言葉が、その線の中にすっと収まっていく。
その何気ない仕草に、胸がきゅっと鳴った。
──この人は、今も私の言葉をちゃんと受け止めてくれるんだ。
たとえそれが“恋人”としてじゃなくても、
“同僚”としてでも、
“仕事の相棒”としてでも。
それでも、私の想いはどこかでちゃんと届いていたのかもしれない。