百花繚乱
そうなると、私もお断りする事もできず、その次の日から、倫太郎さんと紳太郎さんの、身の回りの世話が始まったのです。

ですが二人はまだ、16歳と13歳。

幼さが少しだけ、残っていらっしゃって。


朝、起きてお二人の元へ行くと、倫太郎様はもう起きていて、ご自分が寝ていらしゃった布団をたたんでいたりするのですが、紳太郎様は決まって、布団の中。

学校に遅れますよと、起こして差し上げると、眠い目をこすって、ゆっくり起き上がるのが、私達の日課でしたね。


ところで真木家というのは、倫太郎様と紳太郎様の、お爺様の代から医者の家系なんです。

経営なさっている病院も、地元では有名で大きなところだったんです。


当然の如く、お二人とも医者になるように、言い聞かされておりました。

ですから、学校も周りの方々が通っている普通の学校ではなく、医者や政治家、実業家、そんな人を多く輩出している学校に、通っていらっしゃいました。

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