夢の続きを、あなたと
「俺は職人以外の仕事をしたことがないから、起業するにあたって営業なんてからっきしだ。その点美月は今の会社でバイヤーの仕事をしているだけあって、営業を掛ける先もアルファクラフトと同業者など、把握できている。代表にも廃材の使用許可はもらっているし、今のうちにここで作り溜めしておけば、独立した時に雑貨の卸先としてアルファクラフトと契約するつもりだ」

 雄馬の言葉を聞きながら、気になったことを口にした。

「私が職人って……。今さら私に務まると思う?」

 私の質問に、雄馬は再び口を開く。

「今の仕事は安定のために選んだものであって、美月が本当にやりたい仕事は、職人だろう。その気持ち、今でも変わってないんじゃないか?」

 雄馬の言葉に、私は反論できずに押し黙ってしまう。
 そんな私の様子を見て、雄馬は言葉を続けた。

「人生は一度きりだ。本当に美月は今のままでいいのか? もし、俺の提案を受け入れてくれたら、今まで美月が築き上げてきて安定を捨てることになる。けれど、俺も生半可な気持ちでこんなことを口にしているわけじゃない。俺の独立まであと半年、よかったらそれまでじっくり考えてほしい。もし職人のスカウトを断られたとしても、アルファクラフトとの契約は破棄したりしない」

 雄馬はそう言って立ち上がると、窓辺に立ち外の様子を眺めた、

「雨、降りだしたな。美月、傘持ってる?」

「持ってない……」

「そっか、俺車だから、送るよ」

 話が終わった私たちは席を立つと、片付けを始めた。
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